コーディネート開始 その4

先日の採血による検査結果が送られてきた。
前回適合した時と様式がちょっと違っていた。

検査項目がすごく沢山書かれてあった。長年自分の体と付き合っていてこの内容を知る機会はそうあるものではない。
検査値の横に財団基準という項目がある各項目において基準になる数値の範囲がかかれてあった。
その内容は男女で多少違う場合のもあったりしたが僕の検査結果はその基準値のほぼ真ん中を占めるものがほとんどだった。
前回の適合でSMV(サイトメガロウィルス)の表記が「陽性・陰性」であったのにたいして、
今回は「倍率」表示で示されていた。
どうもこのウィルスは僕にとって興味をひく存在だ。

一般的に恐れられてるウィルス群の結果はすべて陰性だった。これが普通なのかもしれないが結果として見るとなんともいえない恐怖感が背中合わせにあることに気づく。
それはそうである。もし、万が一陽性とあった場合、コーディネートどころの騒ぎではなくなる。自分が即患者さんの側へと移ることになる。
そういった意味ではこの検査結果を見ることは緊張がともなう。

検査結果が問題ないと言うことはこの一通の手紙でわかった。
あとは僕以外の候補が何人かいるはずだからその結果が全て出揃った段階で選定作業へはいるのであろう。次の段階の返事を待つことにした。

結果が出てから幾日経っただろう。10日ほど過ぎたころにコーディネーターさんから電話で連絡があった。
この度、僕が選ばれたむねの内容だった。
僕は喜びに満ちていた。この後、徐々に不安が大きくなることもこの時はまだ考えるよしもなかった。

何よりも一人の患者さんを救う事ができる。僕も30年以上人生を送ってきて、ようやく人様の役に立つことができる。その喜びでいっぱいだった。

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